みなさんは、最近、イライラしたことはありませんか?
怒りに身をまかせて衝動的に行動してしまうと思わぬトラブルに巻き込まれてしまうことにもなりかねません。
そこで、今回はDHA・EPAによってイライラを解消する方法について、詳しく見ていきたいと思います。
まず、私達がイライラしているときに、脳内ではいったいどんなことがおこっているのでしょうか。
目次
イライラしているときに私達の脳内で起こっていること
私達の意志や感情等は脳内の神経伝達物質によってコントロールされていますが、この神経伝達物質には、主に次の3つのものがあり、三大神経伝達物質と呼ばれています。
- ノルアドレナリン
- ドーパミン
- セロトニン
そして、この三大神経伝達物質はそれぞれ次のような働きをしています。
三大神経伝達物質の働き
ノルアドレナリン
別名”怒りホルモン”とも呼ばれ、ストレスに対抗するために分泌され、緊張や不安、集中力、積極性、攻撃性等をもたらします。
ドーパミン
別名”快感ホルモン”とも呼ばれ、喜び、快楽、意欲等をもたらしますが、過剰になりすぎると、買い物依存症等さまざまな依存症になってしまう危険性があります。
セロトニン
別名”幸福ホルモン”とも呼ばれ、ノルアドレナリンやドーパミンの働きを調節して、精神の安定をもたらします。
以上の説明からすでにおわかりかと思いますが、私達がイライラしているときには、私達の脳内では盛んにノルアドレナリンが分泌されています。
そして、逆に、セロトニンは、このノルアドレナリンの働きを抑えて、私達を冷静に落ち着かせてくれるというわけです。
では、以上をふまえたうえで、なぜDHA・EPAにはイライラを解消する働きがあるのか詳しくお話していきたいと思います。
なぜDHA・EPAはイライラの解消に効果的なのか?
まず、前述のように、私達がイライラしてしまう原因は、ストレスに対抗して、私達の脳内で分泌されるノルアドレナリンの働きにあります。
また、セロトニンには、このノルアドレナリンの働きを抑えて、私達の精神を安定させてくれる働きがあります。
そして、DHA・EPAには、私達の脳内において、私達がイライラしてしまう原因であるノルアドレナリンの働きを抑えてくれるセロトニンの量を増やす働きがあるのです。
これがDHA・EPAがイライラの解消に効果的な理由です。
では、続けて、DHA・EPAがイライラの解消に効果的であることを実際に確認した実験がいくつかありますのでご紹介していきたいと思います。
DHA・EPAがイライラの解消に効果的であることを確かめた研究
これらの実験は富山大学医学部の浜崎智仁教授がおこなわれた研究になります。
では、大学生を対象にした研究からご紹介していきましょう。
まず教授は、大学生41名を、DHAのカプセル(1.5~1.8g/日)を与える群と大豆油主体のカプセル(大豆油97%、魚油3%)を与える群の2つの群にわけ、3ヶ月にわたって、これらを投与しました。
- DHAのカプセル(1.5~1.8g/日)を与える群
- 大豆油主体のカプセル(大豆油97%、魚油3%)を与える群
その後、心理テストを実施して、学生達の敵意性を測定しました。すると、次のような興味深い結果がわかりました。
ストレスがかかる状態での敵意性の違い
①DHAのカプセル、②大豆油主体のカプセルを与える双方の群に対し、次のようなストレスが掛かる状況で敵意性の違いをみます。
- 数日後に進級試験または卒業試験を控えているという、ストレスのかかる状態
その結果、①DHAカプセルを投与した群は、②大豆油主体のカプセルを与えた群にくらべて、敵意性の低下がみられました。
小学生を対象にした研究
小学4~6年生の児童の一方には、DHAが含まれる食品(3.6g/週)を、他方には、DHA抜きの食品を、3ヶ月にわたって食べてもらいました。
- DHAが含まれる食品(3.6g/週)を与える群
- DHA抜きの食品を与える群
その後、心理テストを実施して、攻撃性等を測定した結果、次のような興味深いことがわかりました。
小学生男子
男子については両方の群に有意な差は認められませんでした。
小学生女子
女子については、①DHAが含まれる食品を食べていた群は、②DHA抜きの食品を食べていた群にくらべて、身体的攻撃性および衝動性が有意に低くなりました。
以上のことから、DHAの投与が行動にかなり関わっていることが判明しました。
参照「情動とω3系多価不飽和脂肪酸」
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回はDHA・EPAとイライラの解消との関係について詳しく見てきました。
最近、ストレスをかかえていて、何かとイライラしがちな方は、積極的にDHA・EPAを摂ってみてはいかがでしょうか。
ただ、仕事・育児・家事等で忙しく、なかなか食事からDHA・EPAを摂ることが難しいのも現実問題です。
そのような場合には、サプリからDHA・EPAを摂取することが、とても有効です。食事から摂った場合とサプリでは有効成分の優劣はありません。
サプリを上手に活用することで、DHA・EPAを積極的に摂取していただけたらと思います。