塩分、とりすぎていませんか?
日本人の塩分の摂取量はあらゆる年代で本来のあるべき値を超えていると言われています。以前は日本人の食生活の改善しないといけないことと言えば塩分のとりすぎで、減塩ブームがありました。
ここの所、糖質の過剰摂取が注目されていて、塩分は忘れがちですがそれでも日本人の塩分摂取量は全年代で1日10g を超えていて、1日5g以下にすべきだと警告している世界保健機構の数値からかけ離れています。もっとも摂取量の多い50代の男性では、日約15gにもなっています。
塩分はなぜとり過ぎたらダメ?
40代、50代にもなると加齢による血管の老化やストレス、運動不足など、高血圧になる要因はいくつかありますが、おいしい塩分がその引き金であることが多いのです。
塩分は血液の循環を激しくするので、血管圧力が強くかかります。血管に負担をかけないためにも減塩が大切なのです。
塩分の過剰な摂取が高血圧の原因になるのですが、高血圧症の人だけでなく、高脂血症の人も塩分の過剰な摂取には要注意です。
高脂血症の人は血管がボロボロになっている可能性があり、塩分過剰による高血圧が加われば、動脈硬化を促進して危険だからです。
塩分以外の美味しい味付け
血管に負担を掛けないように減塩をうまく続けるためには、塩分の量を減らすだけでなく舌を満足させる必要があります。
例えば、お酢やゆずやレモンなどの酸味を足してみましょう。薄味でもしっかり味が付いているように感じます。酸味やフルーティーな香り、旨味のある出し汁を利かせるのが上手に減塩料理を作る方法です。
塩分の摂取量を控えるのにやるべきことは、調味料に含まれる塩分の量を理解し、それを正しく計量して使うことです。
また、昆布やかつお節、塩麹などの風味の豊かなダシを使えば、味に深みが出て、旨味が増します。さらに、胡椒や唐辛子、生姜などの香辛料を活用することで味に抑揚が生まれ、塩味がついているような感じになりますのでぜひお試し下さい。
塩分の落とし穴
日本人は塩だけでなく、しょうゆやみそもまたよく使用します。塩分は食品そのものにもかなりの量が入っているので、調味料と合わせて合計の塩分量を注意しなくてはなりません。
とくに塩分を多く含む食品は、水産加工品と言われる佃煮、塩辛、干物、かまぼこなど、畜産加工品であるハム、ソーセージ、ベーコン、など、そしてインスタント食品やスナック菓子類、漬物類です。
スーパーやコンビニの惣菜なども、かなり濃い味付けになっているものが多いことを覚えておきましょう。
家庭では天然塩を使いましょう。
いわゆる食卓塩は電気分解による人工で作られた塩ですからナトリウムが99%です。
それに対して自然に作った天然塩は60〜70%くらいがナトリウムで、その他には余分なナトリウムを排出してくれるカリウム、それから他にもマグネシウムなどのミネラルも豊富です。
レトルト食品や外食では無理でも、自炊の時はぜひ天然塩を使いましょう。
薄味に慣れる
薄味=まずいと勘違いされがちですが、味というのは素材そのものにまず付いていて、塩はその旨味を引き出すものくらいに考えて下さい。
無味無臭の水はまずいでしょうかそんなことはないですよね。料理は食感や水分や香りやその他様々な要素からできていますから、塩だけにとらわれず、味覚の幅を広げましょう。
塩分の排泄も大事
塩分は摂取した量が多少多くても、尿や汗からナトリウムが排泄されます。裏を返せば代謝がきちんとしていて、デトックス機能が効果的に機能していれば余剰分を消せますから、ここでも適度な運動が健康に活かされるのです。
最後に
生活習慣病を気にしている場合、味付けはただ塩分を控えるだけでなく、酸味や香辛料のアクセント、出し汁の旨味、などを利かせるのが大切です。味の抑揚がでて、食べたときの満足感が高まりますよ。