最近オメガ3系脂肪酸が、人気のサプリメントとして注目されています。オメガ3系脂肪酸は体内ではつくれない必須脂肪酸で、DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)がよく知られています。
脂肪酸は三大栄養素の一つで、脂質をつくる大切な成分です。脂質は私達が活動するために必要なエネルギー源になり、細胞の原料にもなっています。
なぜDHAサプリにEPAが含まれるのか
DHA・EPA、この2つの成分は一つのサプリメントに一緒に含まれていることが多くなっていますが、その理由はなぜなのでしょうか。
どちらも青魚の脂肪の部分に多く含まれる不飽和脂肪酸で健康効果にすぐれているところは広く知れ渡っていますが、2つの成分の共通点と違いからその理由を探っていきます。
この2つの成分はどちらも血流をサラサラにして血行促進効果があり、細胞を活性化して細胞本来の機能をとりもどす大切な成分です。
血流障害は、頭痛、肩こり、疲労、ストレス、冷えなど様々な体調不良につながります。毎日摂取することで新陳代謝をアップして、細胞のトラブル、老化現象を防ぎアンチエイジング効果が期待できます。
DHA・EPAが体に及ぼす影響
具体的にDHAは、血管や赤血球の細胞膜を柔らかくする働きがあります。とくに神経系の細胞の成分になるため、血流にのって脳や網膜に必要な栄養を届けています。
このDHAだけが唯一、血流脳関門と血流網膜関門を突破できる成分になっているからです。脳では記憶力、学習意欲、集中力などに関係する海馬に集められ、脳の活動を活発にしてくれる重要な成分になっています。
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DHAは記憶力や学習能力を高める効果がある
DHAサプリとは、記憶力や学習能力を向上させてくれる効果があるとして人気のサプリメントです。DHAはオメガ3脂肪酸に分類される不飽和脂肪酸で、様々な健康に良い効果があることで知られています。 例えば、 ...
また眼球では網膜の脂肪の40%~60%を占める成分で、視力を上げる大切な働きがあります。また神経組織にも多く存在し、発育、発達、機能維持などにも必要不可欠な成分です。
一方EPAは血管をしなやかにして、血管の老化を予防します。また高い血小板凝集抑制効果があるため血栓をつくらせない働きが、血流をスムーズにして高血圧、脳梗塞、心筋梗塞のリスクを下げる作用があります。
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高血圧に対するDHA・EPAの効能
高血圧を改善する成分として知られるDHA・EPAですが、実際にどのような効能を持っているのでしょうか。その働きについて見ていきます。 目次DHA・EPAは人にとって重要な必須脂肪酸コレス ...
コレステロールや中性脂肪にも作用
また中性脂肪やコレステロール値を低下させて、動脈硬化の予防にも関わっています。DHA、EPAどちらも生活習慣病の予防効果の高い成分ですが、私達の身体にアプローチする場所や具体的な効果が違います。
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コレステロールなどの数値を下げるDHA
定期検診や生活習慣病予防検診、人間ドックや病院での採血でコレステロールや中性脂肪の数値が高いという診断結果が出たことがあるという人は多いのではないでしょうか。そんな人が注意しなければならないのが動脈硬 ...
この2つの成分は、小腸で吸収されて肝臓を通って血液に入っていきます。厳密には違う栄養素ではありますが、サプリメントでは高い確率で一緒にブレンドされています。
脳担当、血液担当と違う効果を担っているため、両方を一緒に摂取すると相乗効果で幅が広がりよりパワーを高めることができます。
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コレステロ-ルとDHA・EPAの関係
「コレステロール」と聞くと一概に体にとって悪いものである印象がありますが、実際のところ「コレステロール」とは人間が身体を維持するうえで必要不可欠な成分となります。 しかし、日常で聞くコレステロールは悪 ...
DHA・EPAは同時に摂ることで相乗効果がある
DHA、EPAを同時にとることで、血流促進、アレルギー予防、精神の安定、抗炎症作用、免疫力アップなどの働きを高めることができます。
さらに2つの成分は共通した効能だけでなく分子、構造ともによく似ているため、一緒にとることで効率アップにつながります。単独で働くより相性の良い成分をセットでとることが、よりパワーアップした強い力を引き出すことになります。
さらに魚油には必ずDHAが含まれているので、EPAを摂取すると自然に両方の効果が得られます。
DHA・EPAの摂取は注意が必要
この2つの成分はとても溶けやすく熱に弱い性質をもっているため、調理法によって効果が減少してしまいます。そのため青魚をメニューにとり入れても煮たり焼いたりすると約20%、油で揚げると約50%以上の栄養分が溶け出してしまいます。
オメガ3系脂肪酸は、酸化されやすいという弱点をもっています。酸化された油脂は身体に悪影響を与えてしまうため、抗酸化作用のあるビタミン類、ベータカロチンなどと一緒に調理する必要もあります。
そのため魚の種類、食べる量など今一つわかりにくく、毎日メニューにとり入れることが難しいこともありサプリメントで2つの成分を摂取する方が効果的になります。