高血圧を改善する成分として知られるDHA・EPAですが、実際にどのような効能を持っているのでしょうか。その働きについて見ていきます。
DHA・EPAは人にとって重要な必須脂肪酸
イワシなどの青魚に多く含まれるDHA・EPAは、オメガ3系脂肪酸の一種であり、人の体では合成できないので食べ物から摂取しなければいけない必須脂肪酸です。不安定な性質で酸化しやすいことから、必要な量を摂取することは、とても大変です。
このオメガ3系脂肪酸のDHAには、赤血球膜を柔らかくする働きがあります。赤血球の硬さというのは、血液の流れやすさに影響する要素で、もしもDHAが少なくなり、硬くなってしまうと、血管を通るときに変形することなく邪魔をしあって、詰まってしまうのです。
血液中で赤血球の量は半分以上ですから、そのような事態になれば血液は流れなくなりいわゆる血栓が出来てしまいます。それに赤血球には体のいたるところに酸素を運ぶという役割がありますから、秘訣状態になり、様々な影響がでてきます。
加えて、オメガ3系脂肪酸のうちEPAは血管自身の弾力性にも働きかける力があります。血管の収縮が柔軟に行われるのであれば、心臓から送り出される血液は勢いが少なくても隅々まで届きます。しかしEPAが少なくなり血管が硬くなれば、強い力で押し出さなければ、末端まで血液は届きません。
つまり、DHA・EPAが不足して赤血球そして血管が硬くなれば、血液は流れにくくなり、それに伴う血圧の上昇を招くのです。だからこそ、DHA・EPAを摂取することが大切なのです。
コレステロールや中性脂肪を減らす効果
それから、同じように血液の流れに影響を与えるコレステロール、中性脂肪の量を減らすということでも、血圧の低下が期待できます。
そもそもコレステロールは、悪玉扱いされていますが、生命活動に必要な存在です。肝臓から細胞膜などの材料となるコレステロールを運び出す働きがあるのですが、それが過剰に血管に存在すると血管をつまらせてしまうので、厄介者扱いされているだけなのです。
一方で善玉コレステロールと呼ばれるものは、使われなかったコレステロールを回収して肝臓まで戻す役割があります。その時の運搬路となるのは血管であり、その中を流れる血液です。
前述のようにオメガ3系脂肪酸の働きにより血液と血管の柔軟性はつくられ、血流は正常な状態を保つことが出来ます。
血液が流れるということは、善玉コレステロールが余ったコレステロールを回収しやすくなるということで、それにより血管にコレステロールが詰まる心配も減ります。そしてそれにより血圧の急上昇は防ぐことが出来ます。
次に中性脂肪とは、食べ物で摂り入れた脂質が小腸に吸収され、生命活動で消費されなかった分が中性脂肪となるのです。中性脂肪にはコレステロールと同じく、血管にへばりつく性質がありますから、もし中性脂肪の量が増えてしまうと、それで血管が詰まって血液が流れにくくなります。
それにより血圧が上昇してしまうのはこれまでと同じです。EPAには小腸からの吸収という最初の段階を抑制する働きがあります。摂り入れる脂質が少なければ、余剰分も少なくなるのが道理です。
以上のことから、EPA・DHAが高血圧を改善する働きがあるということが理解できるでしょう。
1日で摂取が必要な量
高血圧を抑えるためには、1日にどのくらいの量を摂取すればよいのでしょうか。
厚生労働省による推奨摂取量は1日に2つを合わせて1グラムとしています。
ただ、オメガ3系脂肪酸は最初に書いたように不安定な性質ですから、摂取するのは調理法には気を配らなければいけません。
おおよその目安としてサンマを焼いて食べる時には、半尾くらいを食べれば必要量を摂取できるとされています。
しかし,魚離れが進んでいる現代では、毎日魚を食べる家庭は少なくなっていますから、サプリメントなどで補うのが現実的です。