朝食は和食のほうが健康に良くて、洋食は太りそうというイメージがあります。しかし、たとえ洋食でも、今からご紹介する標準であると思われる朝食にも、生活習慣病予防にたいへん効果がある成分が入っているのです。
コーヒー
コーヒーに含まれているあの苦味の成分のカフェインは、眠けの防止はもちろん、利尿効果促進、消化促進などがあることがよく知られています。実は脂肪の燃焼を助ける効果もあります。
カフェインは体脂肪を分解する体内酵素のホルモン感受性であるリパーゼの働きを活性化してくれます。脂肪の分解を促進させ、脂肪酸が脂肪から血液中に出て筋肉へ運搬されます。つまりエネルギーとして使われるのです。
この一連の流れを効率よく働かせるには、エネルギーをたくさん使う前にカフェインをとるのが良いのです。体を動かす前にコーヒーを飲んでおけば、脂肪がより消費されます。注意して置かないといけないのは、砂糖やミルクを入れすぎてしまうと意味がないということです。
ヨーグルト
皆さんは柔軟性のある血管を作るエラスチンをご存知でしょうか?血圧が高くなると、脳卒中などの脳血管障害が起こりやすくなりますが、エラスチンという成分を十分にとっていれば、血圧が高くても、脳の血管を守ることができます。
このエラスチンというのは、血管内の細胞に柔軟性を与える物質で、弾性線維とも言われるほど弾力性に優れ、しなやかで強い血管を保つことができるのです。
しかし、残念ながら体がほぼ成長し終わる20歳前後に、我々の体内での合成能力は徐々に減っていき、血管の老化が急激に進むことになります。また、血圧が高くなると、血液が血管内にしみ込み、エラスチンを溶かしてしまうために血管はもろくなってしまいます。
黒糖とヨーグルトを混ぜるのがオススメ
そこでおすすめなのが、ヨーグルトに黒糖をまぜる黒糖ヨーグルトです。ヨーグルトに含まれる乳酸は、エラスチンの原料に欠かせない成分で、そのエラスチンを増加させるのが、グリコール酸という成分です。
これは、黒糖に含まれていますから、一緒にして黒糖ヨーグルトを食べれば、乳酸とグリコール酸が結びついてくれて、しなやかな血管の原料になるエラスチンを作り出すことができます。
ヨーグルトに含まれる乳酸菌やカルシウムには、腸内のコレステロールや中性脂肪を吸着して体外へ排出させる効能があるのをご存知でしょうか。乳製品のカルシウムには内臓脂肪を減らす特異な力があります。カルシウムをとれば、内臓脂肪が燃焼されやすくなり、体重の増加も予防できます。しかもこれは体内への吸収率のよいヨーグルトのカルシウムならではなのです。
腸内に悪玉菌がはびこると、免疫力が低下して病気にかかりやすくなり、血液をドロドロにし、エネルギー代謝が落ちて太りやすくなるなど、さまざまな症状が起きてしまいます。腸内細菌のバランスを保ち、生活習慣病や肥満の予防改善にも最も役立つこのヨーグルトを、1日1回はとりましょう。内臓脂肪の量が多い人は300-400㎖程度のヨーグルトを食べるとよいでしょう。
リンゴ
カリウムや食物繊維、リンゴ酸、ビタミンC、リンゴポリフェノールなどの栄養成分が含まれるリンゴはダイエットや動脈硬化の予防にたいへん役立つ果物です。リンゴにはペクチン、セルロース、ヘミセルロースといった食物繊維が含まれており、腸内に残留する発がん性物質なども吸着して排出してくれます。
リンゴを継続的に食べると血中の悪玉コレステロールが減少し、善玉コレステロールが増加するといった効果があります。皮に含まれる成分が悪玉コレステロールを下げるリンゴの皮の赤い色には、栄養分がたくさんです。
血液中の悪玉コレステロールに活性酸素が働きかけると、酸化LDLコレステロールに変化して、これが動脈壁にとり込まれると、血管がもろく、破れやすくなってしまうのです。そこで優れているのが活性酸素を除去する働きがあるポリフェノールの一種、アントシアニンという色素です。
りんごの皮を食べると効果的
リンゴは、強い日光による酸化を防ぐために皮の部分に赤紫の色素であるアントシアニンが豊富です。アントシアニンはそれが酸化されることで組織を酸化させてしまう活性酸素の害を防ぐ働きをするのです。
リンゴの実の部分にもフラボノイドというポリフェノール類が豊富です。リンゴの抗酸化作用を一番引き出すのは、皮ごと食べるのがいちばんなのです。抗酸化作用を持つこのアントシアニンは皮の部分に集中しているからです。
皮ごとだと抵抗がある場合は、その皮を紅茶に入れてアップルティーにしましょう。コーヒーとアップルティーをその日の気分にあわせて交互に飲んでもいいですね。アントシアニンは水に溶ける性質があり、熱にも強いですから、お湯の中に抽出できます。
紅茶にもカテキンというポリフェノールが含まれていて、悪玉コレステロールの酸化を防ぎます。動脈硬化の予防に、アップルティーはいかがでしょう。アントシアニンは、あまり長く空気にさらされるとその効果が失われますので、リンゴの皮をお茶に抽出するときは、15~20分を目安にしましょう。
最後に
コーヒー、ヨーグルト、リンゴなどは洋風の朝食の定番中の定番です。これらには生活習慣病の予防効果がありますから、一週間のうちに何日か取り入れてみませんか?