アルコールは炭水化物の一種ですが、発酵によって組織が変わっているため、体内に貯蔵することはできません。ですから飲んだ後はすぐに消費されてしまいます。
しかし、燃焼しにくい脂肪の消費が後回しになってしまい、それが体に蓄積していってしまいます。このことが、アルコールが肥満をまねいてしまう要因なのです。
アルコールの量の目安
アルコールは嗜む程度なら良いですが、節度を守ることが絶対条件。ついつい飲みすぎてしまうというような人は、お酒に手を出さないほうがいいです。日本酒なら1合、ビールなら大ビン1本を1日の目安にしましょう。
ただ、そのアルコール摂取の適量がどれくらいなのかは、個人差が大きく一概には言えません。ビール1本飲んだら、中性脂肪値が何千㎎/dlにも上がってしまう人がいる一方で、一升ビンをあおってもまったく変化が無くて平気な人もいます。
自分の適量については、できれば医師の診断を受けてみてもらうのが一番いいでしょう。とくに、高脂血症をかかえる人には診断をおすすめします。
アルコールをまったく受けつけないという方を除いて焼酎やウイスキーの水割りなら二、三杯といったところが一日当たりの適量です。このくらいであれば、お酒を楽しむことができる範囲です。
決めた時間を過ぎたら飲むのをやめて週に二日は休肝日を設けて下さい。
酒は百薬の長
栄養のことを考えて酒の肴を選び、食べながらのんびり時間をかけて飲む。これこそが大事な点です。酒は百薬の長といわれますが飲み方によって、一時的に血圧が下がることが分かっています。
そのひとつが、アルコールによる血管拡張作用です。血管が広がれば血液の流れもよくなり、高い血圧も下がります。酒は種類によって、それぞれ薬効があります。
日本酒
日本酒ですが、日本酒に含まれるペプチドというアミノ酸の複合物に、血圧を下げる効果があります。
他にもがん細胞の増殖を抑制する効果のある抗がん物質やグルタミン酸やシステインといった成分もあって、アデノシンという成分に至っては血管拡張効果があり、血液サラサラ効果が期待できます。
ビール
ビールの原料といえばホップ。このホップに含まれるフラボノイドという成分には、血管を広げて血圧を下げる効果があり、動脈硬化の予防ができるのです。
ホップには、コレステロールや中性脂肪の蓄積を抑制し、血液中の善玉コレステロールを増加させるパワーがあります。これによって血液がきれいになり、サラサラと流れるので、われわれが気になる血糖値の対策に素晴らしい効果があります。
過食や糖分のとりすぎで、血糖値を下げるために多くのインスリンが必要になり、その働きが悪くなっている状態をインスリン抵抗性といいます。この状態は、高インスリン血症をもたらし、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病を誘発します。
ところがホップのイソフムロン類というのが脂肪の蓄積を抑制し、肥満を防いでくれるので、高インスリン血症も予防する作用があります。ビールは一番身近なアルコール飲料です。缶で購入しておけば飲みすぎるということはありませんね。
焼酎
本格焼酎、乙種焼酎ですが、たった1回しか蒸留しない単式蒸留法で作られる焼酎は、血栓を溶かす作用が高いのです。その血液サラサラ効果は、さまざまな酒類のなかでも抜群です。
さらに一時期ものすごいブームになった赤ワインもブドウの皮にポリフェノールという成分が含まれこれが活性酸素を撃退してくれる長所があります。このように、酒はさまざまな薬効が期待できますが、量がすぎると逆効果ですので、適量を守って下さい。
酒の肴やおつまみのカロリーに注意
いくらお酒の量に気をつけていても、酒の肴に脂っこい唐揚げや俗に言う乾き物と呼ばれるポテトチップスなどを大量にとっていては元も子もありません。お酒のカロリーよりも一緒に食べるものの方のカロリーが高いなんていうのはよくある話です。
はじめから食べる量を決めておいて、できれば海藻やサラダなどをあわせて食べて下さい。お酒に対しては人によって体質が違いますので過信することなくほどほどで止めましょう。
最後に
アルコールは飲む量によって効能が全く異なってきますので、あくまで自分の適量を休肝日を設けながら楽しく飲んで下さい。
アルコールが適量ならむしろ健康に良いですので、上手に付き合って下さい。決してストレス発散や寝酒といった目的で飲まないで下さいね。