筋肉の役割
私たちの体の筋肉は、二十歳前をピークに減りやすくなり、意識して鍛えない限りは知らないうち年々減っていきます。
筋肉はスポーツをしたりものを持ち上げたりするだけでなく、全身に血液をくまなく行き渡らせるという重要な働きがあります。これを筋ポンプ作用といいます。
心臓が全身に血液を送り出していますが、その力だけでは末端の部分まで十分に血液が行き渡らないので、それをサポートしているのが筋肉なのです。
血液をポンプみたいに送っている筋肉
運動不足で筋肉が減ると血行が悪くなり、代謝が悪くなります。血液は酸素と栄養を全身に送る重要な働きを持つので、血行が悪くなると内臓や他のいろいろなところの代謝を妨げることになります。
血液は、組織に栄養を運ぶと同じく老廃物を運び去る機能も持っています。これが滞れば血管に老廃物がたまって疲れやすくなったり、脂肪がなかなか落ちなくなったりして生活習慣病のリスクが高まります。筋肉を鍛えて血行をよくしないと、老廃物が体中で溜まってしまうのです。
基礎代謝を上げよう!
1日に私たちの体の中で消費されるカロリーの内訳は、「基礎代謝70 %」「生活活動代謝20 %」「食事誘導性熱代謝10%」で、基礎代謝がとても大きいのです。
基礎代謝、つまり安静時基礎代謝とはじっとしていても消費されるカロリーのことです。筋肉が多い人は基礎代謝が高いので、何もしていない時でも自然とやせやすくなります。
筋トレをするとよいのですが、体幹を支える大きな筋肉はつきやすいので、特にこれらを鍛える運動、スロートレーニングやウォーキングをするとよいでしょう。コアマッスルをつけると姿勢がよくなり、脂肪を落としていくことができます。
筋肉をコツコツ作りましょう!
生活習慣病予防の運動は10分の無酸素運動と30分の有酸素運動を組み合わせて、週に3日くらいやっていきましょう。もし難しければ、5分から始めてみましょう。
何分以上運動しようと決めると、できないとしり込みしてしまいがちです。極端にいえば、たとえ3分の運動でも、全くしないよりもいいです。
まずは少しでも運動してみればセロトニンが分泌され、気持ちが前向きになります。5分のストレッチをしてから睡眠に入った日は、翌朝起きた時には体がとても軽くなります。
10分のウォーキングをした翌日は1日中働いても疲れや肩こりの度合いがまったく違い、元気でポジティブになれます。
こまめな運動が効果的
たまにジムに行って2時間運動するなどよりも、ちょこちょことした運動を頻繁に行うことが有効だといわれます。エレベーターやエスカレーターでなく階段を使い、電車ではあまり座らないなども筋肉づくりに効果的です。
階段を軽やかに上がってみましょう。電車内でももちろん立ちます。電車は揺れますから、立っているととてもトレーニングになります。これは筋肉に抵抗を与えて行う運動のことで、ダンベル運動もそのひとつです。
筋力アップや持久力アップのために行われるもので、それを日常の行動で取り入れることができるのです。運動が苦手な人にさらにおすすめなのは、ウォーキングや水泳をすることです。
さらにそれも難しい方は日常生活内で行う動作をテキパキさせて下さい。有酸素運動は負荷が少なくある程度の時間続けて行える運動ですから日常生活の動きでも立派な有酸素運動になります。
運動をやめてからも大事!
運動が終ってすぐに座り込んだり寝たりと休むのではなく、次第に運動強度を下げながら呼吸を整えてください。
そうすることで急激に血圧を変化させることを避けて、運動で体中の筋肉中に溜まった疲労物質を取り除くことができるのです。
最後に
24時間のうち、睡眠時間や食事の時間、その他を差し引いてもどこかに運動する時間の隙間はあるはずです。今からコツコツと筋肉をためましょう!