健康診断で血糖値が高いと判定された方は注意して下さい。高血糖とは耐糖能異常によって常に血液の中に糖分が余った状態になっているということです。
高血糖の状態が空腹の時でさえ続いていたとしたら糖尿病を疑ってみましょう。
インスリンの働きと高脂血症との関連
インスリンには、血糖を下げるだけでなく肝臓での脂肪の合成を助けたり、末梢組織での脂肪の分解を促したりする働きもあります。インスリンが不足すると、末梢組織で中性脂肪が利用されにくくなり、血中に中性脂肪がたまって、高中性脂肪血症となります。
さらに中性脂肪が分解されないためにHDLが作られなくなり、末梢組織で余ったコレステロールの回収が円滑にできなくなって動脈硬化がますます進行してしまうことになります。
単なる高中性脂肪血症だと思っていても糖尿病が原因となっていることがあります。また、高脂血症となることでさらに動脈硬化を促進してしまいますので、本格的な治療が必要になります。
遺伝性ではなくて生活習慣からおこるⅡ型糖尿病(インスリン非依存性糖尿病)の治療の基本は食事療法です。特に甘いものの食べ過ぎには要注意です。
血糖値が気になる方はつぎのことに注意
①小分けにして食べる
食べたものは消化され、血液中にエネルギーとして吸収され、それが血糖です。血糖が多くなり過ぎるとインスリンが分泌されて、血糖を体脂肪に変えます。
つまり血糖値が上がると太ってしまうのです。一度にたくさん食べると血糖値が急上昇して脂肪がたくさん作られますから、ドカ食いは禁物です。
1日に食べる量が同じならば、小分けにして食べたほうが太りません。
②炭水化物の摂取に注意する
血糖を上げやすいのは炭水化物、特に甘いものがあります。特に甘いものをドカ食いするクセがある人がいますが、これが最も太りやすい行為です。
食後のデザートも、元々血糖が上がったところに糖が加わるのでとても危険です。
③繊維質のものを食べる
食事のはじめに海藻や根菜などの繊維質の多いものを食べると、糖やコレステロールの吸収を緩やかにできます。海藻や根菜のあえものなどをつくり、食事のはじめに食べるようにするとよいのです。
運動療法で血糖値を正常に!
人は食事から摂った炭水化物を体内でブドウ糖に変え、エネルギーにします。食後に血糖は高くなりますので、運動は食後30分~1時間後にやると効果的です。とにかく運動をすることで血糖値の調整を図るのが40代、50代の中年にはマストなのです。
運動療法で改善!
インスリンは、ブドウ糖の代謝を高めて血糖を下げるホルモンです。 運動不足などでブドウ糖の代謝が悪くなると、インスリンの効きが悪くなります。こういったインスリン抵抗性の改善ができなければ血糖をうまく下げられません。
内臓脂肪が多くても同じ症状になってしまいます。運動療法で脂肪の燃焼を促進し、インスリン抵抗性の改善をすることが重要です。
糖尿病の疑いがある方は運動を慎重に
糖尿病の疑いがあると、運動の量や種類を制限、やらないほうが良い場合もあります。中性脂肪やコレステロールを下げる目的では運動は欠かせません。糖尿病の病状の改善につながる効果も期待できます。
しかし症状によっては運動を行うことでかえって病状が悪化することや、新たな合併症を引き起こすことにもなりかねません。もし進行した糖尿病合併症が疑われる場合はお医者さんと相談してからにして下さい。
最後に
糖尿病は様々な合併症を起こす危険があり、自覚症状が現れない場合もあるやっかいな病気です。糖尿病は最悪、失明という恐ろしいことにもなりかねません。
健康診断で血糖値が高いと診断された方は今からさっそく食事療法から始めましょう。