脳卒中は、日本人の死亡原因の上位にあり、死亡のリスクが大変高い病気です。また、死亡の危険を回避できたとしても、脳に重い後遺症が残る場合があります。
脳卒中の5大リスク
脳卒中の原因に、高血圧、糖尿病、脂質異常症、不整脈、喫煙などがあります。
どれも生活習慣の改善や薬物治療が効果的です。普段から適度な運動や適切な食事をとるなど、病気を未然に防ぐことが大切です。
脳の病気の種類
脳卒中には大きく2種類
- 血管がつまる-脳梗塞
- 血管が破れる-脳出血、クモ膜下出血
生活習慣病に由来
40代、50代の方で健康診断でLDLコレステロール、中性脂肪、血圧、血糖値が高いと判断された方はお気をつけ下さい。脳梗塞や心筋梗塞の発症率が上がる年代だからです。
現代の医療では降圧剤がありますから、高血圧による脳出血の症例数はやや下降気味ですが、かわって脳梗塞が増えています。
この傾向は生活習慣病の増加と関係があります。 生活習慣を改善しないと命に危険な病気を発症してしまうのです。
脳梗塞とは
脳梗塞は、脳内の動脈や頸動脈が詰まり、その箇所から先の方の脳細胞が死滅してしまうものことです。
血管はたとえどこかが詰まっても、側副血行路という血の道をつくり、応急処置機能がありますが、脳や心臓の血管には側副血行路がありません。
脳梗塞を発症すると、死滅した脳神経があった場所によって、体の動きや言語などに支障をきたします。
脳梗塞には2種類
脳梗塞には、さらに脳血栓と脳塞栓とがあります。脳血栓は、動脈が硬化した部分に血栓ができて血管を詰まらせてしまうものです。 手術などを受けたことがある方は要注意です。
脳塞栓は、肺や心臓,頸動脈の手術を受けた後などに、体内に残った極微量の組織のチリや、血管の壁についていた血栓がはがれて落ちて血流によって脳内に入り、血管を塞いでしまうものです。
ひ房細動という不整脈があると、しばしばみられます。骨折の手術後には、脂肪のかたまりが詰まることもありますので注意が必要です。
脳梗塞は突発的なものではなく、徐々に血管が塞がっていくことで進行するものです。そのため、最初のうちは、頭痛、めまい、手足のしびれなど、軽い梗塞症状がみられます。これを脳虚血発作といいますが、少しすればおさまるため、軽く見てしまいがちです。
しかし、これは本格的な梗塞の前駆症状であることがよくありますから、注意が必要です。
脳出血とは
脳梗塞は60歳以上の高齢者に多く、やや女性に多くおこる傾向がありますが、脳出血は40〜50代の男性で、高血圧の人に多くみられます。出血した場所や程度によって症状や後遺症が異なります。
脳出血の原因は不健康な生活習慣による高血圧
脳出血の一番の原因は高血圧です。血圧が高いまま何もせずに不摂生していると、脳の血管に負担がかかり続け、血管をもろくし、傷つけてさらに破れて血管の外の脳の中に血液があふれ出てしまうのです。
脳卒中予防
何と言ってもまず高血圧を改善、そして血管を丈夫にして血液をサラサラにするのが予防法です。
食事面では魚や納豆などの血液サラサラ効果のある食事を増やし、運動面では無理のない程度にウオーキングや水泳、筋肉トレーニングを行いましょう。
最後に
死と隣り合わせの脳卒中という恐ろしい病気は生活習慣の改善で予防できます。日々の運動、食事、ストレスなど、どうぞしっかり見直してみてください。
血管は1日や2日でどうこうなるというものではなく、長い月日をかけて良くも悪くもなりますので継続的な努力を心掛けてください。