動脈硬化はなぜ起こる?
動脈硬化は心筋梗塞や脳卒中といった重篤な病気を引き起こしますから、予防を心掛けないといけません。
血液中にコレステロールや中性脂肪などの脂肪が増えるとこれが血管壁に溜まって血液の通り道を細くしてしまいます。
これは粥状動脈硬化と呼ばれています。動脈硬化の主な原因は動脈の血管を構成している弾性線維が固くなっていくからなのです。
血管をもう少し詳しく説明しますと、血管は内膜、中膜、外膜の三層から構成されています。
それぞれの膜の間に弾性線維というのがはさまっていて、血管を丈夫にし、弾力性を維持するのに役立っています。
その弾性線維を構成している主な成分は、エラスチンというタンパク質の一種で、エラスチンが古くなっていくと動脈硬化が進むのですが、その古くなったエラスチンをとりかえてくれる成分にエラスターゼという酵素があります。
エラスターゼは動脈硬化を予防する
エラスターゼは、牛肉、豚肉、鶏肉、レバー、魚類などを食べることで補給することができます。エラスターゼは酵素ですので、肉類ならできれば生で食べるのがより効果的です。
エラスターゼは、血液中の余分な脂質を減らし、動脈硬化を予防するのに効果があります。エラスターゼはコレステロールや中性脂肪を減らし、善玉コレステロールのHDLを増やしてくれるのです。
脂肪燃焼の味方、カルニチン
赤身の肉はカロリーが低いだけでなく、カルニチンという脂肪燃焼効果のある成分が含まれています。
肉類の中でも特にラム肉はカルニチンが豊富で、献立でお肉選びに迷ったら是非ラム肉を選んで下さい。値段も手頃で、最近ではスーパーで簡単に手に入るようになりました。
ジンギスカンだけでなく、牛や豚と同じように調理しても美味しく召し上がれます。ラム肉の冷しゃぶを胡麻ダレで食べるのがオススメです。さっと熱湯にくぐらせて、氷で引き締めるだけです。
お肉と一緒に
肉だけ単独で食べるのではなく、野菜も食事前か一緒に食べましょう。
トマトに含まれる赤い色素のリコピンはカロチノイドの一つで、ベータカロチンの2倍もの抗酸化作用があります。
焼きトマトにすれば甘みが増えますし、食前なら過食も抑えられます。ますます吸収率が上がります。ごま油などビタミンEが多い油を使えばリコピンが油に溶け込み、吸収が良くなります。
炒めるだけで、体内へのリコピンの吸収率は、生のトマトのなんと約4倍にもなるというから、加熱しない手はありません。
じつはトマトの皮には、食物繊維であるペクチンがいっぱい。ペクチンは便秘解消効果だけでなく、腸でのコレステロールや糖分の吸収を抑える役割もあり、内臓脂肪が気になる人にはたいせつな栄養素。
血液に溜まったコレステロールが酸化するのを抑えて糖尿病予防にもなります。
トマトに含まれる有機酸は糖質を分解する唾液の分泌を促しますから食後の血糖値急上昇を抑えてくれる効果があるのです。
トマトは丸ごと食べて、その効果をしっかり受けとりましょう。
最後に
肉類は動脈硬化を誘発する食品であると敬遠されがちです。
コレステロールや血圧があがりやすく、肥満になりやすいのは 飽和脂肪酸で、主に肉類やバターなど動物性の脂に含まれているからです。
しかし、適量を食べていれば、エラスターゼのおかげでむしろ動脈硬化を防ぐのに役立つのです。 また、豚ばら肉や霜降り牛肉などの脂身の多い肉を除けば、肉はたんぱく質が豊富で肌などにもよい食べ物です。
たんぱく質は、炭水化物よりもずっと脂肪に変わりにくいのでダイエット中の人におすすめです。脂肪の少ない鶏の胸肉やささみ、豚のヒレやもも肉などが特にいいでしょう。
肉ばかりの日を続けたり、肉の占める割合が大きかったりしないように気を付ければ、肉料理を楽しめることができるのです。