DHA・EPAと言えば、やはり何か健康によさそうなイメージがありますよね。確かにこの2つには素晴らしい健康効果があることは間違いありません。
しかし、いくら健康によいDHA・EPAとはいっても、場合によっては、さまざまな副作用を生じる場合もあります。
そこで、今回は、DHA・EPAの副作用について、どのようなものがあり、そして、どうすれば、それを上手に避けられるのかについて、詳しくお話していきたいと思います。
では、まず、最初にDHA・EPAの適切な摂取量から確認していくことにしましょう。
DHA・EPAの適切な摂取量
厚生労働省が定めている「日本人の食事摂取基準・平成15年度版」によると、DHA・EPAは1日当たり1,000mg以上摂取することが目安として推奨されています。
しかし、実際には、日本人のDHA・EPAの摂取量は、この目安量を大きく下回っており、生活習慣病の増加の一因となっています。
このように実際には不足しがちなDHA・EPAですが、もし摂りすぎた場合にはどのような副作用が考えられるのでしょうか?続けて、みていきましょう。
DHA ・EPAの過剰摂取による副作用について
基準を掲示する国 | 注意喚起の基準(1日当りの摂取量) |
欧州 | 1日5,000mg程度の摂取であれば問題なし |
アメリカ | 1日3,000mg程度の摂取であれば問題なし |
日本 | 1日3,000mg以上を長期に渡り摂取した場合、副作用が現れる可能性あり |
欧州食品安全機関では、1日5,000mg、アメリカ食品医薬品局では、1日3,000mg程度であれば毎日取り続けても、何ら問題はないとされています。
この点、日本では毎日3,000mg以上を長期間に渡り摂取し続けると、吐き気・下痢・鼻血等の副作用があらわれる可能性があるとされています。
食事からこれだけの量を、毎日長期間に渡って取り続けるのはなかなか大変ですが、ただサプリで摂るような場合には注意が必要になります。
サプリでDHA・EPAを摂られる場合には各サプリに記載されている用法・用量を正しく守ってお使いください。
薬との飲み合わせで注意すべき点について
このようにDHA・EPAの過剰摂取についてはそれほど心配する必要はないのですが、薬との飲み合わせについては少し注意が必要になります。
この点でDHA・EPAとの関係で問題を生じる可能性のある薬は次の2つです。
DHA・EPAとの関係で問題を生ずる可能性のあるお薬2つ
- 抗血小板薬・抗凝固薬(血栓をできにくくするお薬)
- 降圧剤(血圧を下げるお薬)
ご存知のように、DHA・EPAには、血小板の凝集を抑制して、血液の粘度を下げ、血液をサラサラにして、血栓ができるのを防ぐ作用があります。
一方、抗血小板薬・抗凝固薬にも血液をサラサラにして、血栓ができるのを防ぐ作用があります。
そこで、この2つが同時に作用すると、血液がサラサラになりすぎて、青あざや出血が生じる可能性があります。
抗血小板薬・抗凝固薬をご使用中の方がDHA・EPAをサプリで摂取するような場合には、予め、かかりつけのお医者さんにご相談なされることをおススメします。
また、DHA・EPAには、血液をサラサラにするとともに、血管をしなやかにして、血圧を下げるすぐれた働きがあります。
一方、降圧剤にも血圧を下げる働きがあります。したがって、この2つが同度に作用すると、血圧が下がりすぎてしまう可能性があります。
そこで、降圧剤を使用中の方がDHA・EPAをサプリで摂られるような場合には、予め、かかりつけのお医者さんにご相談なされることをおススメします。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は、DHA・EPAの副作用についてさまざまな角度からお話してきました。
DHA・EPAを食事から摂られるような場合にはまず問題はないのですが、サプリから摂られるような場合には、サプリに記載されている用法・用量を正しく守ることが重要です。
特に抗血小板薬・抗凝固薬・降圧剤等をご使用中の場合には、予め、かかりつけのお医者さんにご相談されることをおススメします。
DHA・EPAは素晴らしい健康効果を持っています。
しかし、反面、わずかながらも副作用もあります。
みなさんは、十分、副作用に気をつけて、健康のために上手にDHA・EPAを日々の生活の中に取り入れてもらえればと思います。